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リマインダー掲載第二弾『大橋純子ブレイクの礎「シンプル・ラブ」と美乃家セントラル・ステイション』

4月26日、「Re:minder(リマインダー)」に私が書いたコラム、第二弾が掲載されました。

今回は「大橋純子」に焦点を当て、彼女の歌唱力の凄さと、ヒット曲の裏での彼女の葛藤、そして、「シンプル・ラブ」の傑作性について書きました。

題して『大橋純子ブレイクの礎「シンプル・ラブ」と美乃家セントラル・ステイション』

こちら↓↓↓からどうぞ!

https://reminder.top/685507071/

そして、コラムに書き切れなかったお話をこちらで。もう1コラム分のボリュームがありますが(笑)、よろしければお付き合いください。

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■「たそがれマイ・ラブ」の次に発売されたシングル「サファリ・ナイト」

当時、大橋純子がやりたかった音楽の方向性というのは、ソウルを主体とした、ディスコ、ファンクなどのダンサブルでファンキーな、そして、時にメロウでソウルフルなバンドサウンド。

ソロで発売し大ヒットした「たそがれマイ・ラブ」の前に、大橋純子&美乃家セントラル・ステイション名義で、5曲のシングルを発売するが、1枚目の「シンプル・ラブ」のスマッシュヒット以外はヒット曲が出ていなかった。「サファリ・ナイト」(1978年11月25日発売)は、再び、大橋純子&美乃家セントラル・ステイション名義で、「たそがれマイ・ラブ」の次に発売されたシングル。

私は「サファリ・ナイト」のイントロを初めて聴いた時に、なんだか違和感を感じたのである。

それは、中盤まで「Earth, Wind & Fire」風のノリノリのディスコサウンドなのに、Aメロの歌に入る手前で、中森明菜の「北ウイング」(1984年1月1日発売)の同じく歌い出しの手前の「♪チャ・チャ・ チャ チャチャチャ」とほぼ同じような(笑)、歌謡曲風のアレンジにガラッとと変わったからだ。そこで分断されていると感じるほど。

最初は、大橋純子のシングルの発売順を意識して聴いていたわけではないので、先に「北ウイング」を知っていた私は、そのイントロの部分が「北ウイング」に似てるな~と、まず、それが気になって、編曲者を確認してみた。

「サファリ・ナイト」は佐藤健。
ちなみに、”さとうたける”ではない。”さとうけん”。

「北ウイング」は林哲司。

別人だったが、調べてみると、部署は違えど、二人とも同じヤマハ関係者だったので、お互い影響し合っていたのではと、勝手に推測した。実際、林哲司も大橋純子の曲を手掛けているし、佐藤健も中森明菜の曲を手掛けている。松原みきも同様に。

佐藤健に関しては、この他にも興味深い作曲・編曲作品がいくつかあるので、別途コラムで書いてみたい。

本題はそこではなくて、ディスコサウンドと歌謡曲風アレンジがミックスされているという点で、レコード会社が持ちかけ、ヒットに至った「たそがれマイ・ラブ」の後のシングルということで、レコード会社側の歌謡曲寄りでという要望と、大橋純子側のディスコサウンドで行きたいという要望を、無理やり組み込んだ結果ではないのかと、今回の大橋純子のコラムに携わって感じたのである。ちょうど、当時の大橋純子の複雑な思いがミックスされているかのように。

これに関する文献を探したが、現時点では見つけることができなかったので、私の予想の域はでないのだが・・・。

実際、「たそがれマイ・ラブ」の余波を受けてか、「たそがれマイ・ラブ」とのギャップがよかったのか、やはり、その折衷的なサウンドが受け入れられやすかったのか、大橋純子&美乃家セントラル・ステイション名義のシングルでは一番の売り上げになっている。

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■彼女が「たそがれマイ・ラブ」と「シルエット・ロマンス」の2大ヒット曲の封印を解くまでのいきさつ。

ニューヨークから帰国後、活動を開始し、その中で南佳孝との2マンのディナーショーがあった時のこと。

彼女と同じく、南佳孝も「モンローウォーク」「スローなブギにしてくれ」のヒット曲を封印していた。二人とも、そのディナーショーでヒット曲を歌わなかったところ、主催者のホテル側、マネージャーに「困ります!」と怒られる。2ステージ目には仕方なく歌い、その後もしばしば歌う事はあったが、気持ち的には封印しているままだった。

しかし、しばらくして、来日したポール・マッカートニーのコンサートを見に行った時のこと。

(コンサートを見に行ったのが、彼女が40代の時で、ニューヨーク滞在期間から予測すると、恐らく1993年と思われる。)

彼女は、勝手にビートルズ時代の曲は歌わないだろうと思っていたらしい。そこへ、「Yesterday」が始まり、その時会場中が一気に”わーっ”となった瞬間、”なんだこの感動的な空気は”と、ヒット曲の威力を実感したそうだ。そして、封印を解こう!と決意した。

※BSフジ『堺でございます』出演時、大橋純子コメントより
参考文献:谷口由記『A面に恋をして』(リットーミュージック)

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■食道ガンから復帰、テレビ出演にて復帰後初歌唱する番組を、大橋純子出番の直前、リアルタイムで偶然見つける。

月日は流れ、2018年、彼女は食道ガンになり、休業を余儀なくされた。しかし、現在復帰をし、今年45周年記念ライブを控えているというところまでの情報を得ていた。

彼女に関するコラムをほぼ書き終わっていた、今月の4日のこと。
たまたま、テレビをつけたら、テレビ朝日で「決定版!日本の名曲グランプリ」という番組をやっていた。番組は後半に差し掛かっていたが、なんと、これから、大橋純子が、ここで歌の復帰初披露で、登場するというではないか!そのままリアルタイムで見ながら、急いで、録画ボタンを押した。

「絶対に戻って歌う」と決意して、手術はせずに、放射線と抗がん剤で治療したという。

披露された、既に封印が解かれている「たそがれマイ・ラブ」と「シルエット・ロマンス」ーー

さすがに、以前に比べたら、ハスキーさが増し、声は出しにくそうだったが、キーも半音しか下げておらず、見事に歌い切っていた。

コラムに書いた通り、予定されていた45周年記念ライブは延期になってしまったが、彼女の歌への情熱の火は、まだまだ燃え続けているのを感じる。

彼女の生きがいであるライブのステージに、ぜひとも、また立っていただきたい。

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