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『おちょやん』個人的メモ

20日以上経過してしまいましたが、5月18日にFacebookに投稿した『おちょやん』メモをこちらにも残しておこうと思います。 ----------------------------------------------------------------------- 朝ドラ、個人的メモ、今回はどうしようかなと思いながら、やめるにやめられず、気になったキャストに絡めて、やっぱり書いてしまいました。明日から始まる『おかえりモネ』の前までには・・・と、こんな時間の投稿。 最終回を迎えた『おちょやん』。 家族を超えた縁の上に築かれていく、数々の大きな愛に、多くの週末のクライマックスで、 確実に心を持っていかれていた・・・。まとめだけで終わりがちな最終回にも、大きな見せ場があり、こんなに見事な浄化感で着地した朝ドラは、かなり稀有なのではないか。綺麗事とは言わせない説得力があったと思う。 数年前の似たような舞台での朝ドラでは、ヒロインの主演力にもどかしい思いをしながらも、芸達者な脇の俳優陣でなんとか見続けられたことを思い出したが、今回のヒロイン、杉咲花の主演力は素晴らしかった。と共に、個人的には、子役の毎田暖乃ちゃん、宮澤エマ、この2人にも特別賞を。 杉咲花(竹井千代)・・・『とと姉ちゃん』の三女役以来。 今回の落ち着ついた立ち回り、実年齢がまだ23歳とは思えない、終盤の公私にわたる「お母ちゃん」ぶり。5年間での飛躍度が半端なかった。波乱の人生も、家族を超え、与え、与えられた愛情の中、生かされ、生かし合う生き様。・・・それにしても、終盤の一平との対面中の新平の鳴き声、それに反応して自ら(心の)襖を開け、灯子(:小西はる)に声をかける千代。それに耐えられるだけの現況にも支えられていたのだと思うが、その強さ・・・いや、がんばりが切な過ぎた。常々、時間(の経過)は神様からのプレゼントだと思っているが、何があっても、どんな気持ちでどう生きて、自分を幸せに思うか思わないか、するかしないかは、本人の心の選択次第だと改めて思わされる。・・・にしても、セリフを足す場面、劇団員全員のストップモーションは、きっと視聴者も同様だっただろう。 名言:「生きるっちゅうのはしんどうて、面白い。」 毎田暖乃(竹井千代 ・水野春子)・・・千代の子役時代の肝が座った演技が素晴らしく、ただ者ではないと思い検索すると、『スカーレット』で大島優子(照子)の長女役で既に朝ドラデビューしていたとは!気づかなかった~!しかも、広瀬すず主演の『なつぞら』に憧れ、この世界に入ったというから、なんという夢実現力。当然、演技の実力がスバ抜けているからで、千代とは一味違った、複雑な家族事情の春子の控えめな、抑え気味の演技もこなす、2役、素晴らしかった。演技が上手い子役のこまっしゃくれさを感じないのも不思議で、芯の強い演技の中にもかわいさを感じて、とても愛おしかった。 「明日も、きっと晴れやな」→「今日もええ天気やな」。く~。 成田凌(天海一平)・・・『わろてんか』での息子役から大出世。今回は、頼れるヒロインに恵まれて、やりがいもあっただろうと思う。劇中劇で、低い太めの声色が出ていたり、終盤、千代との久々の対面の時の目の表情だったり、これまでとは違う演技の幅をさりげなく確認でき、おっと思う場面がありつつも、役回り的には・・・なかなか大変だっただろうと想像する。 トータス松本(竹井テルヲ)・・・千代の波乱の人生の根源。見ていて、本気で千代がかわいそうに思えた、あれだけのダメ親父をやり切ったトータス松本の演技力。それでも、やっぱり彼の一番の武器は歌声だと思う。あ、栗子さんをつかまえたことだけは、結果的にはお手柄だったか・・・。 倉悠貴(竹井ヨシヲ)・・・満を持しての再会も、更生しきれないままの釈然としない別れになるも、ビー玉との再会場面は、寛治(:前田旺志郎)の熱演も相まって、胸を打たれた。今回初めて、倉悠貴という俳優を目にしたが、別の出演作品でどんな演技をするのか気になるところ。 宮澤エマ(竹井・上田栗子)・・・これまで、主に関ジャムに出演している姿しか目にしてなく、ミュージカルの世界で活躍しているという情報しか持っていなかったが、このドラマで、私の中で一番、いろんな意味で意外性を発揮した女優。登場した時の第一印象は、”濱田マリに似てる”だったが、それ以上に、様々な表情の作り方が自然かつ、ためらいがなく突き抜けていて、引き込まれた。千代の子役時代だけで出番が終わるのかと、残念に思っていたら、まさかの・・・。実年齢32歳にして、あの自然で、憂いのある老け演技。恐れ入りました。 篠原涼子(岡田シズ)・・・東京パフォーマンスドールの時からは想像もつかない、貫禄ある女優さんに。身売りをされそうになった千代を道頓堀から逃がすシーン、かっこよかった!個人的には『ハケンの品格』でのコメディアンヌぶりが大好き。昨年の第2シリーズの最終回の最後の場面、大泉洋とのやり取り、その相性の良さ、ハマり具合が最高だった(いつか言いたかった!)。なので、個人的には、この「大前春子」のキャラが、今回のシズ役の、真面目な中に垣間見えるお茶目さにかぶって見えた。最後の、二軒の芝居茶屋の暖簾が並ぶショットにうなる。 東野絢香(岡田みつえ)・・・上記、母親シズ(:篠原涼子)同様、借金取りから千代を守るために身体を張ったシーンにグッときた。 いしのようこ(富川菊)・・・若い頃は、お姉さん(石野真子)の存在が大きく、大変だったと思うが、いつの間にか、いい女優に。『べっぴんさん』での存在感から、今回はさらに磨きがかかっていたと思う。 シズ(:篠原涼子)とのシーンはなかなか見ものだった。そして、いつの間にか、ひらがな表記に。改めて検索すると、同期に、本田美奈子、中山美穂、南野陽子、斉藤由貴、井森美幸、森川美穂・・・85年、なかなか豪勢。 井上拓哉(富川福助)・・・”最後”のトランペット演奏にふるえる。朝ドラ出演『あさが来た』→『べっぴんさん』→『わろてんか』→『まんぷく』と、5作目だったとは! 星田英利(須賀廼家千之助)・・・やっぱり、「ほっしゃん。」が馴染む。その才覚は『カーネーション』で充分魅せてもらったが、今回、その期待を裏切らない貫禄があった。 板尾創路(須賀廼家万太郎)・・・この方も、本当に素晴らしい芸人俳優。今回特に、懐の深さに磨きがかかって見えた。劇中、孤高の存在ながら、千代の才能を認め、心を許しているのがわかる、千代との絡みのシーンがとても好ましく、印象的だった。最後は「あしたのジョー」の如く、真っ白な灰に。 前田旺志郎(松島寛治)・・・まぁ、大きくなって。子役と思っていたら、もう20歳に。寛治の心を融かした千代の愛情も素晴らしかったが、よく更生してくれた!ビー玉を届けてくれてありがとう!一平への喝も素晴らしかった! 西川忠志(熊田)・・・検索すると朝ドラ6作目。正直、5作目までは自力では出てこなかった。生意気な言い方をすると、”西川きよし”の息子のイメージ以上の役というのはなかなか難しいように思うが、今回の役は、忘れないであろう重要な役どころで、最後の千代への説得シーンは心打たれた。 井川遥(高城百合子)・・・歳を追うごとに綺麗になる井川遥。 雰囲気作りも上手く、高城百合子役はピッタリだった。個人的にはこの高城百合子の千代へのセリフが刺さり、二度涙してしまった。 「一生一回、自分が本当にやりたいこと、やるべきよ。」 「誰に何と言われようと、自分がやりたいようにやるべきよ。役者はある意味人を騙す仕事かもしれないけど、自分だけは絶対に騙しちゃため。自分に正直にならない限り、いいお芝居はできなくてよ。私たちは自由なのよ。」 若村麻由美(山村千鳥)・・・彼女も相変わらず美しい。再登場時の彼女の指導のセリフも素晴らしかった。 「見る相手が違う。演じるということは、役を愛した時間そのもの。」 塚地武雅(花車当郎)・・・終盤の当たり役!!伏線での防空壕のシーンでも、やけに安心感を覚えたが、 再登場で千代の才能を全力で推す当郎がとても頼もしく、 当郎の存在と塚地の演技力が、終盤を大きく動かしていったように思えた。 生瀬勝久(長澤誠)・・・バイプレーヤーというのもしっくりこないほど、安心のバイプレーヤー。私は『トリック』で、生瀬勝久という人を強く認識したのだと思うが、最近は随分と貫禄のある役が増えたと思ったら、もう還暦とは。 茂山宗彦(天海天海)・・・わ~『ちりとてちん』小草若だ~。 桂吉弥(黒衣)・・・わ~ 『ちりとてちん』草原だ~。 吉川愛(宇野真理)・・・カフェー「キネマ」での千代と同室になった女給。この顔を見ると『あまちゃん』でのアメ女メンバー役の印象が強くて、ついそのことを言いたくなってしまう。一言メモ。 天海祐希(箕輪悦子)・・・あっぱれ! 追記:静岡出身で大阪弁に馴染みのない私が、今回このドラマで、とても耳に残った大阪弁。「だんない」。優しさが伝わってくる感じがして、とても気に入った。心地良く響いていた主題歌「泣き笑いのエピソード」が聴けなくなるのは残念。 なんとか『おかえりモネ』開始前に間に合った!...
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