『カムカムエヴリバディ』個人的メモ

4月8日にFacebookに投稿した『カムカムエヴリバディ』メモをこちらにも残しておこうと思います。


いつの間にか恒例になってしまった、最終回を迎えた朝ドラメモ。
まだ、長時間の画面の直視や、大量の文字を書くのが厳しい日も少なくないのですが、少しずつ進めて、書ける範囲で書いてみました。

以前より、ライブの準備にも忙しくもなり、このメモもいつまで続くか、または、飛び飛びになるのかわかりませんが、今後も、書こうと思えることがあって、書ける状況にある限りは、なんとか書いてみようと思います。

『カムカムエヴリバディ』

朝ドラ初、3代のヒロイン、100年の物語。話の展開が速く、毎日見どころだらけ。安子編~るい編~ひなた編、話しが進むごとに、既視(聴)感のあるシーンやセリフ、小ネタを楽しみつつ、最終的に全てがつながった愛憎劇。

「愛憎劇」と言っても、人間心の美醜を描きつつも、ドロドロ感なく、むしろ、上品さや痛快さを感じながら観ていたように思う。最終回、あまりに全てを拾ってくれた筋書きが気持ちよく、何度も見返してしまった。

最終週、話しが進んでいる2003年と「将来」の2020年代を、主題歌を挟んで展開していく構成にも、ワクワク感をそそられた。

以下、今回も、俳優さんベースで、勝手につぶやいてみました。長いひとり言ですが、ご興味ありましたら覗いてみてください。


上白石萌音(橘安子→ 雉真安子)・・・朝ドラ前作『おかえりモネ』からのリアル萌音。令和の時代に、なんて、戦前中後の昭和の時代が似合うヒロイン。若き日の安子は彼女しかいないように思う。3人のヒロインの中では一番出演日数が少なかったが、彼女がこの物語のベースを作ってくれた。

深津絵里(雉真るい→ 大月るい)・・・個人的に、だーいすきな女優さんなので、めっきりテレビで見かけなくなっていた彼女の出演、超楽しみだった。そして、期待以上の素晴らしい好演。るいも、彼女しかいない。どの年代もずっと、抜群の存在感でかわいかったけど、ショートカットがかっこかわいくて最高だった。るい編のジョーさんとの恋物語の時期、(私の)体調がかなり悪かったのだが、2人の純粋なやりとりに毎日癒されていた。

終盤、多岐川裕美(雉真雪衣:老年期)にかけた言葉「 みんな間違うんです 。」るい自身にも、人間誰にもに向けられていた言葉。相手も自分も許す、大事なセリフ。アニーのラジオでの告白シーン、ジャズフェスティバルでの再会シーンの深津絵里、すばらしかった。泣いた。あと、「おまじない」の時の、彼女の「はっ。」の掛け声が最高。「大月」の回転焼き、食べたい。

川栄李奈(大月ひなた)・・・6年前『とと姉ちゃん』森田屋(お弁当屋)の娘役からの大出世。ヒロイン3人ともすごいバイタリティーだったけど、幼少期からの飛躍度が一番大きかったと言えるような気もする。宿題ができない子供時代だったけど、いろんな意味で「サムライ好き」の精神が道を切り開いていったと思う。ひなたも彼女しかいない。安子とるいの再会シーンでのひなたの表情、すばらしかった。最後の最後、10歳の時に言えなかった言葉からの、『On the Sunny Side of the Street』をバックに、ビリーとひなたの道を歩く姿。感無量。

それにしても、3人とも英語、すごかったな~。

濱田岳(橘算太)・・・さすが濱田岳。少年期から老年期まで、でも限られた出番で、このキーパーソンを演じられるのは、やはり彼が適役だったかと。この100年の物語を作ったとも言える「こじれ」の元凶。現実的には百叩きに合っても仕方がないことをしたのに、最終的に憎めないのは、彼自身ののキャラクターと、このどこか、妖精のような役どころ。自然に沸きあがる自分の感情や欲求を超えて、相手の立場を考えて、許せるか・・・そんな問題集を、関わる人々に投げかける、人生のスパイスのような存在だったのではと。この世の常識では説明がつかないことや、理不尽なことが起きる人生の象徴のような。一方、錠一郎がジャズに復帰できたきっかけも算太。やはり不思議な存在。

甲本雅裕(橘金太)・・・名バイプレーヤー。段田安則(雉真千吉)との父親同士のシーンと、最後の算太との「再会」のシーン・・・見事だった。前出演の朝ドラ『カーネーション』では、「電器屋」→「太鼓(喫茶店)」マスター役がかなり印象的だった。

松村北斗(雉真稔)・・・上白石萌音と同様、令和の時代に、なんて、戦前中の昭和の時代が似合うヒロインの相手役。なんの違和感もない、真面目で誠実で、普通に弱さを抱える青年役の演技。稔さん、ピッタリすぎる。

村上虹郎(雉真勇)・・・彼の「勇ちゃん」も素晴らしかったな~。複雑な役どころ、どの場面も見事だった。安子編ではMVPに相当するほどだったように思う。直近出演では『MIU404 』での星野源の元相棒役がかなり印象的だった。この個性、もちろん、彼独自のものだけど、さすが、村上淳とUAの息子、とも思う。

岡田結実(雉真雪衣)・・・彼女の演技力には、とにかく驚いた。まさか、こんなヒール役ができるほど達者だったとは。想定外度を加味すれば、安子編、影のMVP。

村雨辰剛(ロバート・ローズウッド)・・・日本に帰化されている庭師さんなんですよね~。数年前に「徹子の部屋」に出演していたのが強く印象に残っていました。実際は日本語ペラペラなのに、カタコト日本語も演技も自然で、この方も意外な演技力だったかと。

オダギリジョー(大月錠一郎)・・・『時効警察』の時のようなすっとぼけ系から、『S -最後の警官-』の時のような凶悪テロリストまで、演技の幅は広いが、いつも、つかみどころのない不思議な魅力が漂っている。今回はさらに、天然さ、かわいさが挿入されていた。「大月錠一郎」名前の由来がわかった回は、感動したなー。強いアイデンティティであるトランペッターとしての自分を失う辛さ・・・想像しただけでも恐ろしい。るいがいてよかった。カミングアウトをした、子を思う父親心にも胸を打たれる。音楽以外は不器用だったけど、るいや二人の子供・・・五十嵐にも、大事な時に必要な言葉をかけられる力を持っていて、雌伏の時期も、大きな存在価値があったと思う。それにしても、オダギリジョー、どんな格好(サンタでも)をしても、様になる。

世良公則(柳沢定一・健一)・・・なんと言っても『On the Sunny Side of the Street』歌唱シーン。本領発揮。うぉ~。「世良公則」と「定一さん」両方が存在していた。反響のあったこのシーンを、NHKが公式にYouTubeにアップして、タイトルに【ネタバレ注意】と記載しているのも面白い。錠一郎の名付け親。泣ける。息子健一との演じ分けも見事だった。

早乙女太一(トミー北沢)・・・キザだけど、ずっとジョーの理解者だった優しいトミー。最終回前のステージ、かつてのジョーのトランペット音源を流す演出、泣いた。

市川実日子(野田一子 [ベリー] )・・・彼女が持つ、独特でサッパリとした空気感が大好き。彼女がいると場が締まる。『アンナチュラル』『大豆田とわ子と三人の元夫』など・・・彼女が活きる重要な役どころ多し。今回、終盤の名言・・・「意味があんのか、ないんか、わからんことをやる。誰かのこと、思ってやる。それだけでええんとちゃう?」

近藤芳正(木暮洋輔)・・・この方も名バイプレーヤー。「Night and Day」のマスターにしか思えない。ベリーの「懐かしいて、泣いてしもうた。」と言った気持ちがよくわかる。『なつぞら』での「カフェ川村屋」の気難し気な給仕役が記憶に新しい。

村田雄浩(竹村平助)・・・続く名バイプレーヤー。女房に尻に敷かれる(でも、いざという時は頼れる)役がめちゃめちゃ似合う。濱田マリと息ピッタリの夫婦役。るいが背水の陣で臨んだ大阪生活で、本当に素敵な親代わりになってくれて、見ている方も癒された。

濱田マリ(竹村和子)・・・「モダンチョキチョキズの濱田マリ」から、いつの間にか名女優に。本当にいい大阪の母。『カーネーション』の演技も圧巻だった。『カムカムエヴリバディ』特集での「うたコン」では、久々の歌披露(生歌唱は初!とのこと)に、少し興奮。

青木柚(大月桃太郎)・・・幼少期のかわいさから一変、小夜ちゃんへの失恋で落ちた闇には驚いたが、錠一郎のカミングアウトのきっかけになったことは、錠一郎の救いにもなったように思う。 最終回、一番の飛躍を遂げた彼。かつての勇ちゃんのアドバイスに従い、ホームランを。ちなみに、桃太郎がるいのお腹の中にいた頃流行っていた『およげ!たいやきくん』で、桃太郎の年齢は、私の一つ下だと気づく(るいの年齢は、私の母親の2つ下)。同世代の桃太郎がいることで、同じ時代を生きてきた自分を重ね合わせながら観る楽しみもできた。青木柚に関しては、昨年放送されていたNHKよるドラ『きれいのくに』(かなり不思議なドラマ)での出演が印象的だった。

尾上菊之助(桃山剣之介)・・・もう、どちらが本当の芸名かわからなくなるほど耳にした「桃剣」。「暗闇でしか見えぬものがある。暗闇でしか聞こえぬ歌がある。」→「暗闇にいたんじゃ見えないものもあるんですよ。」どちらも、真理。

松重豊(伴虚無蔵)・・・虚無さん!最高!堅物さとコミカルさが、かわいく愛おしい。お化け屋敷のシーンは笑った。この役も、松重豊しかいない。私も、虚無さんの教えについていきます→「おひな。黙って鍛錬せよ。日々鍛錬し、いつ来るともわからぬ機会に備えよ。」「おひな。そなたが鍛錬し、培い、身につけたものは、そなたのもの。一生の宝となるもの。されど、その宝は、分かち与えるほどに輝きを増すものと心得よ。」「おひな」の呼び方もかなりお気に入り。このドラマの最中はすっかり忘れていたけど「猫村さん」・・・「ぼっちゃん(濱田岳)」との絡みは、残念ながらなかったかな。

本郷奏多(五十嵐文四郎)・・・ツンデレ五十嵐。「文ちゃん」、2度も「おひな」を泣かせることになったけど、鍛錬の方では、虚無さんの教えに従ってよくがんばった。2018年ドラマ『リピート〜運命を変える10か月〜』での主演が印象的で、彼を知ることになった。

安達祐実(美咲すみれ)・・・顔立ちは『家なき子』のまま、わがままなベテラン女優役がハマるようになっている不思議さ。強烈な子役の印象があるのは大変だったと思うが、ある時から、見事にそこから脱皮したのではと思う。そう言えば『リピート〜運命を変える10か月〜』で、五十嵐とは共演済み。

ちなみに、すみれに頭が上がらない監督役の土平ドンペイ(轟強)・・・これまでは、悪役(失礼ながらチョイ役)で朝ドラ出演するイメージが強かったが、大出世。

平埜生成(榊原誠)・・・なんていい上司。ひなたが心置きなく条映で働けたのも、彼のお陰。”すみれさんおんぶ”のプロポーズシーンもハマっていた。(いい意味で)あまりの癖のなさに気がつかなかったけど、検索すると『今日から俺は!! 』『大豆田とわ子と三人の元夫』にも出演してた。言われてみれば、あ~あの役か。

森山良子(アニー・ヒラカワ/安子・ローズウッド)・・・正直、安子の正体は、話の流れとしては、もうひとひねり(新たな配役)を期待していたのと、上白石萌音のイメージとはギャップがあったが、前述のとおり、ラジオでの告白シーン、ジャズフェスティバルでの再会シーンは、深津絵里の演技と相まって、感動の一言だった。最終回、3人の「おまじない」シーンと、ラジオ英会話を聴くシーンは、穏やかながら、全てを包み込む、胸熱シーンだった。

堀部圭亮(赤螺吉兵衛・吉右衛門)・・・この人も芸達者。パワーズ→K2から、いつの間にか名バイプレーヤーに。今回、一番強烈な印象的だった二役。「ケチ兵衛」の死は切なかったが、吉右衛門は元気に生きていてよかった。すっかり、父親そっくりになって。

宮嶋麻衣(赤螺清子・初美)・・・かわいらしくも、昭和的な落ち着いた顔と立ち振る舞いからか、朝ドラの常連。『ちりとてちん』『カーネーション』・・・サッパリと自然な演技が気持ちよく、派手さはないのに、印象に強く残る彼女。おばあちゃん演技も、かわいく、面白かった。

紺野まひる(小川澄子・小川未来)・・・何気に重要人物。彼女が画面に登場すると、ホッとさせてくれる力がある。

小野花梨(水田きぬ・花菜)・・・頼りがいのある絹ちゃん。彼女は、2011年ドラマ『鈴木先生』での演技が強烈で、そこから気になる存在だったので、安子編だけなのは残念だと再登場を期待していたところ、なんと、最後の最後で。想像をはるかに超える再登場役、嬉しかった。演じ分けも素晴らしかった。

城田優(語り・ビリー)・・・やっぱりビリーだったか!この物語は、最初から、ひなたとビリーが出演する英会話講座だったとは!

青木崇高(武藤蘭丸)・・・「草々」!「万吉」!藤本有紀作品の重要人物!ゲスト出演、やった!

さだまさし(平川唯一)・・・ラジオから流れてくる平川先生のしゃべり、優しく、わかりやすく、心地よかったなー。いい配役。ひなたへの伝授のための登場シーンもハマってた。

浜村淳(磯村吟)・・・こちらも、いつもの興味深いラジオの声から、抜群のタイミングでの出演。アニーの告白場面での重要なスパイス役。

それから、「たちばな」の名を引き継いでくれていたあの男の子!ありがとう!金太の知恵ある愛情が花開いていてくれて、本当に嬉しい。

最後に。劇中に流れた、リアルタイムで聴いていた数々のヒット曲にときめく。特に反応したのは・・・

『想い出がいっぱい』H2O・・・初めてお小遣いでかったシングルレコード。『みゆき』で、あだち充作品にハマる。この頃、ひなたがトレーナー姿(私服)で高校に通っているのも印象的だった。

『モニカ』吉川晃司・・・1984年。歌番組にかじりついていた、小2~小3の頃の風が一気に吹く。

『もしも明日が…。』わらべ・・・「欽どこ」の画が浮かんでくる。間奏で登場して踊るクロ子とグレ子・・・。この回、居酒屋「うちいり」で、くだを巻くすみれに、ひなたが「すいません。」連発ネタ。面白かった。

『君がいるだけで』米米CLUB・・・今回『カムカム』の音楽担当になった金子隆博。かつて、彼(フラッシュ金子)と「シュークリームシュ」MINAKOのメンバー内結婚を祝福するために作られた曲が、このドラマのこのシーンで使用されたのは感慨深い。そっして、ジョーと同様の理由で、サックスから鍵盤に転向している事実。さらに感慨深い。

主題歌『アルデバラン』AI・・・森山直太朗曰く、このドラマのために書いたものではなかったそうだが、なんとぴったりな世界観。歌い出しの「♪君と私は仲良くなれるかな この世界が終わるその前に」の詞が、ぐっとくる。図らずも、森山家にとって、縁あるドラマだったのだろうと思う。かなりの頻度で、ドラマ鑑賞の度に、この主題歌、AIと共に絶唱していた。

「♪君と君の大切な人が幸せであるそのために 祈りながら sing a song」


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